漆について

「金継ぎ」の材料・漆(うるし)の耐久年数は?
呂色漆は10年過ぎても使えます。


「金継ぎ」は、器の欠けや割れなど比較的小さな部分を修復するため、漆など
の使用量はわずかです。「金継ぎ」でよく使用する漆は、生漆(きうるし)・
生正味漆(きじょうみうるし)・呂色漆(ろいろうるし)・赤漆(あかうるし
)ですが、それぞれに特徴があります。

名前のごとく生漆・生正味漆は、漆の生木から採取されたものです。生漆は中
国産、生正味漆は日本産で、同じように漆の生木から採取されたものではあっ
ても質や価格が異なっています。
呂色漆(ろいろうるし)は、生漆を撹拌・加熱したものに鉄分(酸化第二鉄)
を加えた黒い漆です。
赤漆(あかうるし)は、生漆を撹拌・加熱したものに赤の色素を加えた赤い漆
です。

漆が悪くなるということは腐れることで、乾かなくなったり悪臭がしたりしま
す。腐敗の原因は、主成分のウルシオールではなく含まれる水分のせいです。
ゆえに生漆や生正味漆は水分が多いので腐れやすく、撹拌・過熱して水分が非
常に少なくなっている呂色漆や赤漆は腐れにくいのです。

どのくらいもつのかといえば、呂色漆や赤漆は10年以上でも使えています。

生漆や生正味漆は賞味期限2年といいます。2年以内に使い切りましょう。